これまでテニスの歴史を振り返る
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テニスの起源は中世フランスにまでさかのぼります。当時は「ジュ・ド・ポーム(Jeu de Paume)」と呼ばれるスポーツが盛んで、素手でボールを打ち合う形で行われていました。
この競技が徐々に発展し、ラケットが使われるようになり、現代のテニスの原型が形成されていきました。「テニス」という名称も、この時代のフランス語で「受け取れ」という意味の「Tenez(テネ)」に由来しています。
16世紀から17世紀にかけて、ジュ・ド・ポームは貴族の間で広まり、フランスだけでなくイギリスやスペインなどヨーロッパ各国でも人気を集めました。しかし、当時のテニスは現在のルールや形状とは大きく異なり、インドアで行われる形式が一般的でした。
その後、19世紀に入ると、イギリスでルールが整理され、屋外で行われる「ローンテニス(Lawn Tennis)」として確立されました。これにより、テニスは貴族や上流階級だけでなく、一般市民にも広がるスポーツとなったのです。
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テニスが現代スポーツとして整備される過程で、特に大きな影響を与えたのが1877年に始まった「ウィンブルドン選手権」です。
この大会はイギリスのオールイングランド・ローンテニスクラブが主催し、最初の大会は男子シングルスの1部門だけで行われました。
しかし、競技者の増加とともに大会規模は拡大し、現在ではグランドスラムの一つとして国際的な地位を確立しています。
ルールの整備も進められ、ネットの高さやサービスラインの位置、ポイントシステムなどが統一されていきました。当初はセット数の決定やサービス方法などがバラバラでしたが、これらが統一されたことで試合が公平かつスムーズに進行するようになりました。
1884年には女子シングルスが公式種目に加わり、テニスは男女問わず多くのプレイヤーに親しまれるスポーツとなりました。
日本にテニスが伝わったのは明治時代の初期とされています。1878年、横浜に居住していたイギリス人の手によって日本国内で初めてテニスが紹介されました。
当初は「西洋庭球」と呼ばれ、上流階級のスポーツとして楽しまれていました。その後、学校教育の一環としてテニスが採用されるようになり、特に明治末期から大正時代にかけて学生たちの間で大流行しました。
日本独自の発展として「軟式テニス(ソフトテニス)」が生まれた点も見逃せません。軟式テニスはラバー製の柔らかいボールを使用し、よりカジュアルに楽しめるよう考案された日本特有の競技です。
この軟式テニスの誕生は、学校教育で広く普及したこともあり、全国各地で部活動やクラブ活動として楽しまれるようになりました。一方、硬式テニス(現在のテニス)も徐々に人気を集め、昭和時代には国際大会に出場する日本人選手も現れました。